Taka’s blog / タカブロ

タイ駐在でメーカーの工場で働く40歳。 読書,タイ料理,ビール,旅行,テニスが好き / A Japanese working at factory in Thailand. Likes; Reading (Bussiness,Novel,Comics), Thai food,Beer,Travel,Tennis,

感想「21世紀の戦争論 昭和史から考える」半藤一利、佐藤優(文春新書)

 

目次
第一章  よみがえる七三一部隊の亡霊

第二章  「ノモンハン」の歴史的意味を問い直せ

第三章  戦争の終わり方は難しい

第四章  八月十五日は終戦ではない

第五章  昭和陸海軍と日本の官僚組織

第六章  第三次世界大戦はどこで始まるか

第七章  昭和史を武器に変える十四冊

・読後の感想

 日本の近現代に何が起きていたのか、高校で世界史しか頑張らなかった自分にとって、長いこと宿題となっていた。本書を通じて少し理解が進んだと感じる。日清・日露戦争第一次大戦、第二次大戦までずっと戦争が続いていたわけではなく、そのインターバルの中で深みにはまっていく過程があった。

 第二次大戦に先んじて起きたノモンハン事件では実戦経験の乏しさがひとつの問題要因だったが、それ以前の実戦は34年前の日露戦争まで遡らなくてはならなかった。そのため、日本の軍組織には官僚化した士官たちが牛耳っており判断を誤らせたという指摘は説得力を感じた。

 ひるがえって自分の身近な話題に照らしてみると、現代の日本製造業も同じような状況にあると思う。高度成長期に実戦で産業システムを作り上げた世代のあとで、それに追随することで成功できた世代がグローバル化・成熟化した状況を切り拓くのに苦戦している。アジアの人材に現場を任せきってしまい助言が仕事になって久しいベテラン、日本に現場がなく入社以来の間接スタッフの若手は「官僚化した士官」たちの姿に重なる。

P.245 佐藤:重要なのは、旧日本軍がひどかったという話で終わらせるのではなく、われわれが一所懸命やったときには、どうしても同じような組織をつくってしまうし、責任をとらない体制をつくってしまうと考えるべきなのです。

劇薬ではあるが、大企業病から脱するために、あえて官僚的組織をダウンサイズし失敗があっても人に責任と権限を与えて成長を促すよう現場に戻す必要があると思う。そういった偏った意見は、暴走してしまった陸軍士官のようなのかもしれないけど。